中国茶器 の魅力と選び方 | 茶文化を楽しむための必須アイテム

中国茶器
中国茶器

中国茶を楽しむ上では専用の茶器である 中国茶器 を正しく選ぶことも重要です。茶杯、茶盤などの種類や特徴、選び方のポイントをわかりやすく紹介します

茶器の選び方

中国茶をより美味しく楽しむには、茶葉の種類に応じた適切な茶器を選ぶことが重要です。茶壺(急須)の材質やお湯の温度を工夫することで、茶葉本来の香りや味わいを最大限に引き出すことができます。

茶壺の材質と特徴

•陶器製・紫砂壺(しさこ)

紫砂泥で作られる紫砂壺は、茶葉本来の香りや味を引き出すのに優れています。特に青茶や黒茶、紅茶との相性が良く、長時間使用することで茶器自体が味わいを深めます。

•磁器製

なめらかな表面が特徴で、茶葉の風味をそのまま楽しみたいときに適しています。色や香りの変化を正確に感じ取れるため、紅茶や青茶に向いています。

•ガラス製

透明でお茶の色や茶葉の広がる様子を楽しめるため、緑茶、黄茶、白茶に最適です。特に新鮮な茶葉や繊細な香りを持つお茶に適しています。

茶葉ごとの適した茶器と温度

1.緑茶・黄茶・白茶

•茶器: 耐熱ガラス製がおすすめ。

•温度: 70〜80℃

•繊細な香りと味を引き出すため、低めの温度が適しています。

2.青茶(烏龍茶)

•茶器: 紫砂壺や陶器製の茶壺が最適。

•温度: 80〜100℃

•茶葉の風味が豊かに広がるため、高温でしっかり抽出します。

3.紅茶

•茶器: 磁器製のポットが適しています。

•温度: 90〜100℃

•高温で抽出することで、濃厚な味わいと香りを楽しめます。

4.黒茶

•茶器: 紫砂壺や陶器製の茶壺が最適。

•温度: 90〜100℃

•長時間の抽出でも風味が損なわれないため、高温でしっかり淹れます。

茶葉と茶器の組み合わせを意識することで、同じお茶でも香りや味わいの奥深さが格段に広がります。

 

基本的な中国茶器・茶具:家庭で楽しむための5つの道具

中国茶を家庭で気軽に楽しむには、以下の基本的な茶器があれば十分です。それぞれの特徴や使い方を知ることで、より美味しく中国茶を味わうことができます。

1. 茶壺(ちゃふう)

「茶壺」とは中国版の急須で、主に少量の茶を淹れるために使われます。一度に飲み切れる量だけ抽出できる小ぶりのものが一般的です。陶器、磁器、耐熱ガラスが多く、特に紫砂泥で作られる紫砂壺は青茶や黒茶に最適です。青茶(烏龍茶)や黒茶(普洱茶)などの発酵茶を淹れるのに向いています。

2. 蓋碗(がいわん)

蓋碗

蓋碗

蓋と受け皿が付いた茶碗で、中国では普段使いされる茶器です。蓋を茶こしの代わりにして茶葉を抑えながらそのまま飲むことができます。簡単な作りで使いやすいのが魅力です。緑茶や白茶など、繊細な香りを楽しみたいお茶に適しています。

3. 茶海(ちゃかい)

茶壺から出したお茶を一度移し替え、濃度を均一にするためのピッチャーのような器です。一度茶海に移すことで、複数の茶杯に均等にお茶を注ぐことができます。青茶や紅茶など、何煎も楽しむお茶に便利です。

4. 茶杯(ちゃはい)

お茶を飲むための蓋のない小さな茶碗です。一口で飲み干せるほどの小ぶりなものが主流ですが、大きめのものもあります。磁器、陶器、耐熱ガラスなどで作られているのが一般的で、茶芸の席や特別な中国茶を楽しむ際に用いられます。

5. 聞香杯(もんこうはい)

青茶専用の茶器で、香りを楽しむために作られた縦長のカップです。お茶を注ぎ、香りを堪能してから茶杯に移して飲みます。茶杯とセットで使われることが多く、香りを重視するお茶に最適です。

6. その他の茶具

  • 茶船(ちゃせん):茶壺や茶杯を温めたり、余ったお湯を受け止める鉢状の器。
  • 茶罐(ちゃかん):茶葉を保存する容器で、紫砂泥製や金属製が多い。
  • 茶盤(ちゃばん):上部がすのこ状になった箱。湯をこぼしても下に溜まるよう設計され、作業がしやすい。
  • 電壺(でんこ):電気ポットのことで、高温のお湯をすぐに用意できる便利な道具。
  • 茶荷(ちゃか):茶葉を鑑賞しながら取り分けるための道具で、茶壺に入れる前に使用。

中国茶器は見た目の美しさだけでなく、お茶の香りや味わいを引き出す重要な役割を果たします。道具を揃えることで、より深く中国茶の世界を楽しむことができます。

 

中国茶器で有名なブランド

中国茶器には歴史ある名産地があり、それぞれ独自の技術と美しさを持っています。その中でも特に有名なのが、宜興(ぎこう)と景徳鎮(けいとくちん)です。それぞれの特徴をご紹介します。

宜興(ぎこう)で製作される紫砂壺

•産地と歴史

宜興は江蘇省にある陶器の名産地で、5,000年もの歴史を誇ります。ここで作られる紫砂壺は、中国茶器の中でも特に有名です。

•紫砂壺の特徴

紫砂壺は、焼き締め陶器の一種で、茶葉の渋みやアクを壺自体が吸収する特性を持っています。そのため、お茶をまろやかで深い味わいに仕上げる効果があります。この特徴は、中国茶だけでなく日本茶にも適しているとされています。

•現在の製作状況

江蘇省宜興市の郊外では、現在も伝統的な方法で紫砂壺が制作されています。高品質な紫砂壺は、青茶(烏龍茶)や黒茶(普洱茶)など、発酵度が高いお茶を淹れる際に最適です。

景徳鎮(けいとくちん)で製作される磁器茶器

•産地と歴史

江西省の景徳鎮は、世界的に有名な磁器の産地で、「陶磁器の都」とも呼ばれます。青花(せいか)の染付け茶器が特に有名で、日本の有田焼にも影響を与えました。

•代表的な製品

•青花染付け茶器: 白地に青の模様を描いた繊細で美しいデザインが特徴。

•玲瓏(リンロン)茶器: 「ホタル焼き」とも呼ばれ、焼き込んだ米粒の跡が光を通して蛍のように見える独特の技法で、日本でも高い人気を誇ります。

•品質の注意点

景徳鎮の茶器には、鋳込み成型で作られた安価な製品も多く流通しています。これらは品質が劣る場合があるため、購入時には注意が必要です。

 

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