プーアル茶 の魅力 | 歴史・種類と美味しい淹れ方を紹介 普洱茶

プーアル茶 (普洱茶)は、日本でも健康茶として知られる独特な風味を持つお茶です。その歴史は古く、中国では栄養補給の目的も兼ねて、特にチベットなど少数民族の間で広く親しまれてきました。その独特な風味から、現代でも多くの人々に愛飲されています。

プーアル茶 とは?

プーアル茶は、主に中国雲南省南部および南西部で生産される中国茶の一種で、中国茶の六大分類の中では黒茶に分類されます。

このお茶は、「雲南大葉種(アッサム種の一種)」の茶葉を晒青緑茶に加工したものを原料としています。

プーアル茶と認められるには、特定の地域で厳密な基準と伝統的な製法に則って作られる必要があります。そのため、これらの基準を満たさないものや他の地域で生産されたものは、プーアル茶とは認められません。

お茶っ子
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つまり、「国産プーアル茶」という表記は厳密には間違いなんです

プーアル茶 はどうやって作られる?

プーアル茶は、その製造方法によって「熟茶」と「生茶」に大別されます。

「熟茶」は、緑茶の茶葉を発酵させて作ったものをいい、原料として晒青緑茶という種類の緑茶を使用します。

中国茶の世界では、摘み取った茶葉に熱を加えて酸化を止めることを殺青というんですが、その中でも釜炒りで熱を加える方法のことを晒青緑茶と呼びます。

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この晒青緑茶の茶葉を堆積させ、そこに水をかけて水分量を上げると、微生物の力で茶葉が発酵します。数カ月するとあの独特の風味を持つプーアル茶が出来上がります。

この工程の確立により短期間に大量の熟成した茶葉を生産することができるようになりました。

お茶っ子
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この技術は「渥堆」と呼ばれていて、1970年代になって新たに確立されたんです

一方、「生茶」は晒青緑茶の茶葉をそのまま緊圧(餅茶にする工程)し、渥堆の工程を経ずに自然熟成させるものです。生茶は若いうちは渋みや青っぽさがありますが、時間の経過とともに熟成が進み、まろやかで複雑な風味が生まれます。

渥堆の技術は大量生産のために確立されたものであり、伝統的なプーアル茶の製法とは言えません。そのため、プーアル茶の本場である雲南省では、今でも「生茶」を好む人が多く見られます。

生茶は長期間熟成させることで味わいが変化し、古ければ古いほど価値が高まるとされています。特に、長期間熟成されたものは「陳年茶」と呼ばれ、希少価値が高いため、信じられないほどの高値で取引されることもあります。

お茶っ子
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投資目的にコレクションする人もいるみたいですよ

プーアル茶 の品種と産地

プーアル茶は、「雲南大葉種」という品種の茶樹から作られます。

雲南大葉種は、日本や他国で育てられる低木型の茶樹とは異なり、「喬木型(高木型)」と呼ばれる大木に成長する品種です。その樹齢は数百年に及ぶものが多く、中には1000年以上の古茶樹も存在します。

雲南大葉種の茶畑の風景は、日本の茶畑とは大きく異なります。大きな茶樹が自然のままに生い茂り、まるで森のようになっているのが特徴です。中には完全に森と一体化した野生状態の茶樹もあり、これらの茶樹から作られるお茶は、山菜のような独特の風味を持つこともあります。

プーアル茶の茶葉は、雲南省西南部で生産されており、主に臨滄茶区、西双版納茶区、思茅茶区(現在のプーアル茶区)の三大生産地があります。

この中でも、思茅茶区の茶葉は生産量が少なく、希少価値が高いとされています。この地域は亜熱帯気候で、豊富な日光と降雨に恵まれており、多くの茶樹が自生しています。

プーアル茶 の歴史

唐代には、南詔国の銀生城(現在の雲南省普洱市付近)の山地で採れる茶として知られていました。

明代に中国が雲南を領有すると、「プーアル茶」として広く認知され、清代には皇帝への進貢品として宮廷で愛飲されるようになりました。

お茶っ子
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映画『ラストエンペラー』で知られる清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀も、プーアル茶を好んだと言われています。

しかし、文化大革命(1966年~1977年)の時期には、プーアル茶の伝統的な製造方法は手間がかかるうえ、毛沢東思想にそぐわないとされ、一時的に生産が途絶えました。

この時期、多くのプーアル茶が香港や台湾へと持ち出されました。現在、こうした茶葉は「ビンテージもの」として珍重されており、特に台湾には貴重なプーアル茶が多く保管されています。

現在では、中国本土でもプーアル茶の生産が再開され、東南アジア、欧米、日本など世界各国に広く輸出されています。

 

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