台湾四大銘茶 木柵鉄観音 の魅力 | 特徴・歴史・美味しい淹れ方

台湾四大銘茶の一つである 木柵鉄観音 は、中国福建省から伝わり、台湾で独自の進化を遂げた特別なお茶です。その豊かな香りと深い味わいは、多くの茶愛好家を魅了しています。本記事では、木柵鉄観音の歴史や特徴、製法の進化について詳しく解説します。

木柵鉄観音の歴史

木柵鉄観音の始まりは、19世紀末年に遡ります。当時、中国福建省安渓から台湾に渡った張さんが、鉄観音の茶樹と製茶技術を台湾に持ち帰ったことが起源とされています。

張さんの功績

張さんは、安渓から12株の茶樹を持ち帰り、台北市木柵地区に移植することに成功しました。その後、さらに1,000株の茶樹を追加し、鉄観音の製茶技術を確立しました。この努力が、木柵鉄観音という台湾を代表する銘茶の基盤を築いたのです。

現在では、木柵地区は都市化が進み、茶畑の景色はほとんど見られなくなりましたが、その名は今でも木柵鉄観音として台湾茶の中で重要な存在を示しています。

木柵鉄観音の特徴

木柵鉄観音は、元々はしっかりと発酵された茶葉が特徴でした。しかし、時代の流れとともに軽発酵の製法が採用されるようになり、一時期はあっさりとした風味が主流となりました。近年では、伝統的な製法が再評価され、再びしっかりと発酵された「濃香(ノンシャン)」仕上げが注目を集めています。

木柵鉄観音の製法:濃香仕上げ

台湾茶や中国茶の烏龍茶品種は、時代とともに仕上げ方が変わってきました。特に軽発酵の「清香(チンシャン)」仕上げが増える中で、木柵鉄観音は伝統的な「濃香仕上げ」を守り続けています。

濃香仕上げの特徴は、茶葉の深い味わいを引き出すために行われる重発酵(高発酵)と強い焙煎にあります。この製法によって、スモーキーで豊かな香りと、力強くコクのある味わいが生まれ、飲んだ後の余韻が長く続くのが魅力です。

正欉木柵鉄観音について

濃香仕上げは、木柵鉄観音の伝統的な製法を再現したもので、特に「正欉(せいそう)」と呼ばれる高品質なお茶に使われます。

「正欉」とは、鉄観音品種を使用し、古式仕上げの伝統的な製法で作られた木柵鉄観音を指します。

この仕上げ方は、茶農家たちが昔ながらの製法を研究し、それを現代の技術と組み合わせて生み出したものです。

正欉木柵鉄観音は、一度失われかけた製法を復元する努力が続けられた結果、現在でも高品質なお茶として提供されています。

木柵鉄観音の楽しみ方

木柵鉄観音の濃厚な味わいと香りを楽しむには、適切な淹れ方が重要です。

  • 茶葉の量:3~5g(1人分)
  • お湯の温度:95~100℃
  • 抽出時間:30秒~1分
  • 回数:4~5煎まで楽しむのがおすすめ。

濃香仕上げの木柵鉄観音は、煎を重ねるごとに味わいが変化し、初めは力強い香りと味わいを、次第に穏やかな甘みを楽しむことができます。

木柵鉄観音の現在

木柵鉄観音は、その製法の進化とともに、台湾茶の中で特別な存在として知られています。一時期は軽発酵が主流になっていましたが、最近では重発酵による濃香仕上げが見直され、伝統的な製法を守る茶農家が増えています。

このように、昔ながらの伝統と新しい技術が融合した木柵鉄観音は、台湾茶文化の深さと豊かさを象徴するお茶といえるでしょう。

まとめ 伝統と革新の木柵鉄観音を味わう

木柵鉄観音は、台湾四大銘茶の中でも特に、伝統的な技と現代的な工夫が見事に融合したお茶です。特に「正欉木柵鉄観音」のような重発酵で仕上げた濃香タイプは、豊かな香りと深い味わいが特徴です。

この一杯には、台湾茶の長い歴史と文化が詰まっています。ぜひ、木柵鉄観音をゆっくり味わいながら、その魅力を感じてみてください。

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