苦丁茶 をご存じですか?その名の通り、強い苦味が特徴のお茶です。「苦(苦い)」と「丁(ねじる)」という文字が表すように、苦丁茶は苦味のある茶葉を「こより」のようにねじった形状が特徴です。
苦丁茶は、中国茶の一種で、モチノキ科モチノキ属の多羅葉という植物から作られます。伝統的には中国で親しまれてきたお茶ですが、現在では日本でも栽培されており、関東から九州までの地域で点在して作られています。
苦丁茶とは?漢の時代から愛される健康茶
苦丁茶(くていちゃ、くうていちゃ)は、漢の時代から1800年以上の歴史を持つ中国の健康茶です。その名の通り、強い苦味が特徴で、「美容茶」や「長寿茶」として親しまれてきました。中国の古典書物である『茶経』や『本草綱目』にもその名が記されており、中国政府が輸出や研究に力を入れていた記録も残っています。
苦丁茶には等級があり、「特級」「一級」「二級」「三級」の4種類に分かれています。等級が高いものほど、苦味に加えて爽やかな甘味や芳醇な風味を楽しめます。一方、等級が低いものは苦味がより強く感じられる傾向があります。
苦丁茶とセンブリ茶の違い
テレビのバラエティー番組などで罰ゲームに使われることのあるセンブリ茶。苦丁茶とセンブリ茶は、どちらも苦味が特徴ですが、原料や成分に大きな違いがあります。
苦丁茶
- 原料: モチノキ科モチノキ属の「多羅葉」。
- 苦味成分: トリテルペンとサポニンが主成分。
センブリ茶
- 原料: 中国原産のセンブリ属リンドウ科の「センブリ」。
- 苦味成分: スウェルチアマリン、スウェロシド、アマロゲンチン、アマロスウェリン、ゲンチオピクロシドなど。
成分が異なるため、苦味の質や健康効果も異なります。苦丁茶は、その歴史的背景や美容・健康への働きが評価されており、特に中国では伝統的な健康茶として広く知られています。
美味しく飲める苦丁茶の淹れ方
苦丁茶は独特の強い苦味が特徴で、慣れるまでは飲みにくいと感じるかもしれません。しかし、正しい淹れ方を知ることで、そのクセが癖になる味わいに変わります。ここでは、苦丁茶を長く楽しむためのオススメの淹れ方をご紹介します。
基本的な淹れ方
•マグカップで淹れる場合:
苦丁茶の茶葉を1本使用し、熱湯を注いでお飲みください。1本の茶葉で3~4杯楽しむことができます。
•急須で淹れる場合:
苦丁茶の茶葉を2~3本使用し、急須に入れて熱湯を注ぎます。
一煎目の処理
中国では、一煎目のお湯をサッと流して捨てる「洗茶」が一般的です。これにより、苦丁茶特有の強い苦味が和らぎ、より飲みやすくなります。
注意点
苦丁茶は非常に苦味が強いため、飲み慣れていない方は少量の茶葉から試すのがおすすめです。小さなお子様には苦すぎるため、手の届かない場所で保管してください。
苦味を楽しめるようになると、苦丁茶は日常のお茶として親しめるようになります。ぜひ自分好みの濃さで試してみてください。