台湾を代表する 凍頂烏龍茶 の魅力

台湾烏龍茶の中でも特に有名な 凍頂烏龍茶 は、その豊かな香りとまろやかな味わいで世界中の茶愛好家を魅了しています。台湾四大銘茶の一つであり、その名は台湾中部の南投県鹿谷郷にある「凍頂山」に由来します。本記事では、凍頂烏龍茶の歴史や特徴、そしてその魅力について詳しく解説します。

凍頂烏龍茶って?

凍頂烏龍茶は、台湾を代表するお茶の銘柄で、台湾茶の中でも特に有名です。その起源は19世紀中頃、中国大陸から台湾に伝わった茶の苗を、台湾の凍頂山で栽培したことにさかのぼります。この地で育てられた茶葉が、凍頂烏龍茶の始まりとなりました。

凍頂烏龍茶の材料は、茶の木であるチャノキの葉を発酵の途中で加熱した「青茶」と呼ばれる種類のお茶です。青茶は「ちんちゃ」「せいちゃ」「あおちゃ」といった別名でも知られており、烏龍茶の一種として位置付けられています。

発酵の途中で加熱を行うことで、緑茶に近いさっぱりとした風味と、烏龍茶特有の芳醇な香りの両方を楽しめるのが特徴です。

凍頂烏龍茶の種類

茶葉は小さく丸まった形状をしており、お湯を注ぐと大きく膨張するのが特徴です。また、凍頂烏龍茶は3煎以上飲めるものが多く、非常にコストパフォーマンスの良いお茶としても知られています。

もともと凍頂烏龍茶は、台湾南投県鹿谷郷東部で栽培されたチャノキを使って作られたものを指していました。しかし、1970年代に経済開放政策が進む中でブランド化が進み、現在では台湾全域で栽培されています。

凍頂烏龍茶と阿里山茶の違い

阿里山茶は、台湾烏龍茶の一つで、嘉義県阿里山茶区という高山地帯で生産される高山茶です。阿里山茶は、凍頂烏龍茶とは異なる名産地で生産されており、標高の高さや気候条件から独特の味わいと香りが楽しめるのが特徴です。

どちらも台湾烏龍茶として人気がありますが、地域や品種の違いが風味に個性を与えています。

 

凍頂烏龍茶の歴史と伝説

凍頂烏龍茶の起源は、中国福建省から台湾へと持ち込まれた茶樹に遡ります。

凍頂烏龍茶誕生の伝説

1885年、鹿谷郷に住む林さんが、中国福建省へ「郷使」の試験を受けに向かいました。試験に合格し台湾へ帰る際、林さんは福建省の「青心烏龍種(軟枝烏龍種)」の苗36株を持ち帰り、いくつかの場所に植樹しました。そのうち、鹿谷郷の「凍頂山」に移植した12株だけが生育に成功し、これが現在の凍頂烏龍茶の基礎となりました。

凍頂烏龍茶の特徴

凍頂烏龍茶は、台湾を代表する烏龍茶として、香り、味わい、見た目のすべてで高い評価を受けています。

主な特徴

  • 茶葉:「青心烏龍茶」という品種が主に使用されます。この品種は成長しても茶葉が固くならないため、烏龍茶の加工に適しています。ただし、生育が難しく、細心の注意を要します。
  • 水色:緑がかった黄金色の透明感のある水色。
  • 香り:花のような甘い香りが広がり、リラックス効果をもたらします。
  • 味わい:まろやかで滑らかな口当たり。甘さとほのかな渋みのバランスが絶妙です。

凍頂烏龍茶が発展したワケ

凍頂烏龍茶が世界的に知られるようになった背景には、台湾政府による国策がありました。

ブランド化の成功

1970年代、台湾政府は外貨獲得を目的に「凍頂烏龍茶」をブランド化するためのプロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは、「凍頂烏龍生産合作社(協同組合)」が設立され、品質管理や生産体制が整えられました。その結果、凍頂烏龍茶は高品質な烏龍茶として広く知られるようになりました。

凍頂烏龍茶の進化

かつては青心烏龍種のみが凍頂烏龍茶の原料でしたが、近年では品種改良が進み、さまざまな品種から作られるようになっています。

現在の主要品種

  • 青心烏龍:伝統的な品種で、凍頂烏龍茶の代名詞。
  • 青心大葉:青心烏龍よりも大きな葉を持ち、力強い味わいが特徴。
  • 金宣:ミルキーな香りがあり、軽やかな甘みが魅力。
  • 翠玉:爽やかな香りと軽い飲み口が特徴。
  • 四季春:季節を問わず収穫可能で、フレッシュな香りが楽しめる。

これらの品種は、それぞれが異なる香りと味わいを持っており、凍頂烏龍茶の多様性をさらに広げています。

凍頂烏龍茶の楽しみ方

凍頂烏龍茶は、その豊かな香りを最大限に引き出すため、中国茶専用の「聞香杯」と「茶杯」を使って淹れるのが一般的です。ただし、普通の茶器を使用しても十分に楽しめます。以下は基本的な手順です。

必要な茶葉とお湯の量
お湯100㏄につき茶葉5gを使用します。200㏄なら茶葉10gが目安です。

  1. 茶壺(急須)と聞香杯を温める
    茶壺に沸騰したお湯を注ぎ、全体を温めます。同様に聞香杯にもお湯を注ぎ、しっかりと温めます。
  2. 茶杯を温める
    聞香杯のお湯を茶杯に移し、茶杯も温めます。この手順で茶器全体を温めることで、お茶の香りと味をより引き立てます。
  3. お湯を捨てる
    1~2で使ったお湯はすべて捨てます。
  4. 茶葉を茶壺に入れる
    茶壺に茶葉を入れ、95~100度のお湯を勢いよく注ぎます。お湯は茶壺からあふれない程度まで注ぎ、すばやく蓋をします。
  5. 蒸らす
    約1分間蒸らします。
  6. お茶を注ぐ
    茶壺からお茶を茶杯に注ぎます。最後の一滴まで注ぎきることが大切です。次に、聞香杯にお茶を注ぎ、香りを堪能した後、茶杯に移して味を楽しみます。

水出しの場合

凍頂烏龍茶を水出しで作る場合は、茶葉5~10gに対して1リットルの水を使用します。冷蔵庫で数時間置くだけで、さっぱりとした味わいを楽しめます。

凍頂烏龍茶の特徴

凍頂烏龍茶は、緑茶に近いさっぱりとした味わいが特徴です。烏龍茶の中でも色が薄く、一般的な烏龍茶が濃い茶色であるのに対し、凍頂烏龍茶は緑茶に近い黄緑色をしています。

また、発酵度が高くなるにつれて、フルーツのような華やかで深い香りと、優しい甘みが楽しめるようになります。

 

まとめ:台湾を代表する「凍頂烏龍茶」を味わう

凍頂烏龍茶は、その豊かな香りとまろやかな味わい、そして伝説や歴史が織り成す魅力的なお茶です。台湾政府によるブランド化により、世界的にも認知される存在となり、現在ではさまざまな品種改良が進んでいます。

美味しさだけでなく健康効果も期待できる凍頂烏龍茶。ぜひ一度その奥深い味わいと香りを体験してみてください。

コメント

  1. […] 台湾を代表する「凍頂烏龍茶」の魅力台湾烏龍茶の中でも特に有名な「凍頂烏龍茶(とうちょううーろんちゃ)」は、その豊かな香りとまろやかな味わいで世界中の茶愛好家を魅了して […]

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