碧螺春 の魅力 | 歴史・特徴と美味しい淹れ方

中国を代表する緑茶のひとつである 碧螺春 (へきらしゅん)は、中国緑茶の中でも特に高い知名度を誇り「中国十大銘茶」にも数えられています。

碧螺春とは?

「碧螺春」(へきらしゅん)という名前、なんだかとっても優雅な感じがしませんか?この名前は、清代の康熙帝が名付けたと伝えられています。

「碧」は翡翠のような美しい緑色、「螺」は巻貝のように螺旋状によじれた形、そして「春」は春に摘まれることを意味しています。その香りと味に感動した皇帝によって、茶葉にふさわしい高貴な名前が与えられました。

中国茶の6大分類上では緑茶(不発酵茶)に分類され、龍井茶とともに高い人気を誇る中国の代表的なお茶です。

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特に台湾では「青心柑仔(せいしんこうし)」という品種から作られることが多いです。茶葉は一心二葉(若い芽とそのすぐ近くの葉)を使い、繊細で新鮮な味わいを引き出しています。

碧螺春を飲むと、爽やかでほんのり甘い後味が口に広がり、まるで春風が運んでくる清らかな空気のように感じられます。

産地

碧螺春の茶葉は江蘇省の太湖という湖で生産されています。太湖は琵琶湖の約4倍もの広さを持つ大きな湖で、湖に突き出た半島が碧螺春の発祥地とされています。茶畑が湖近くの洞庭山にあるため、「洞庭碧螺春」という名前で呼ばれることもあります。

洞庭山は東洞庭山と西洞庭山に分かれ、特に東洞庭山で生産される碧螺春は最高級品とされ、その品質の高さで名を馳せています。東洞庭山は「花果山」とも呼ばれ、多くの果物の産地としても有名で、楊梅(ヤマモモ)などの果樹があり、茶畑とともに自然豊かな景色が広がっています。

ちなみに花果山とは、『最遊記』で孫悟空の生まれ故郷と同じ名前なんですが、どのような関係があるのかは調べてもあんまりよくわからないです…

碧螺春の茶葉は、味わいに深い余韻があり、爽やかな甘みとまるで柑橘系の果実のような風味が特徴です。また、香りは花のように甘く、雅やかさを感じさせます。

碧螺春は、温暖で湿潤な気候と肥沃な土壌を活かして栽培されるため、他の緑茶にはない独自の風味を楽しむことができます。その華やかな香りと爽やかな味わいは、多くの茶愛好家を魅了しており、西湖龍井茶や黄山毛峰、安渓鉄観音大紅袍などとともに、中国十大銘茶の一つとして数えられます。

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また、清の康煕帝が愛飲していたとも伝えられている銘茶で、毎年4月初旬の清明節前に摘まれる「明前茶」は、特に珍重される高級品とされています。

収穫

碧螺春の茶葉は、春の初めに若芽が出る頃に摘まれます。その茶葉は渦巻き状に巻かれ、白いうぶ毛に覆われているのが特徴です。

製造工程

碧螺春のもつ最も大きな特徴といえば、渦巻きのような独特の茶葉の形です。どのようにして作られているんでしょうか。

春の若芽が最も柔らかく繊細な時期に茶葉を収穫します。

摘み取られた茶葉は萎凋(いちょう)の工程を経て適度にしおれさせ、水分を調整します。

その後、茶葉は職人の手で丹念に手揉みされ、形状を整えると同時に内部の成分を引き出します。丁寧に時間をかけて手揉みを行うことで、碧螺春特有の細長く渦巻き状に巻かれた形状ができあがります。

揉まれた茶葉は、次に60〜70℃の低温で乾燥されます。この低温乾燥は、茶葉の繊細な香りを守りながらも、茶葉内の成分を凝縮させるための重要な工程です。この工程を経て、碧螺春の華やかで甘い香りと、爽やかでほんのり柑橘系の風味ができあがります。

碧螺春の楽しみ方

碧螺春を楽しむ際には、「蓋碗」と呼ばれる蓋付きのコップを使用するのがおすすめです。茶葉を直接蓋碗に入れてお湯を注ぐと、白いうぶ毛に包まれた若芽が開く様子を見ることができます。

 

 

 

 

 

 

 

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